厨房の時、下校しようとしたら雨が降ってて傘を持ってなかった俺は下足室で降りしきる雨をぼんやり眺めていた。
そうしたら、ふいに後ろから「傘持ってこなかったの?」という声。
振り返ったらクラスメートだった。

普段そんなに話さないから、「結構かわいい顔してるのでモテる」という認識しかなかった。
「ん?ああ。天気予報見てくりゃよかった。」苦笑いしながらこう答えると
「はい。」持ってた傘をいきなり俺に渡して雨の中を走って行った。
唐突すぎてすぐに動けずにいる俺は、雨に煙る校庭を駆けていく後ろ姿を見送ることしか出来なかった。
(冗談だろ? 20年前のマンガかよw)苦笑しながらも、せっかくだからそいつの傘をさして帰った。
次の日、傘を返すついでに聞いてみた。
「いきなりなんだよあれはw」
「いや、なんか困ってるみたいだったし。でも一緒の傘に入って帰るのも恥ずかし・・(ゴニョゴニョ」
少し頬を赤くしながらうつむいて話す。
俺は完全に惚れてた。
そいつは男だった。
今、そいつは台所で俺のメシを作っている結婚はしたが、生涯子供は望めないだがそいつは未だに当時の傘を大事に持っているこれが私達の子供だと、あいつは相変わらず笑っているあいつは強いあいつは男だが、あいつといれば何が起こったって大丈夫だと思う
何度も言うあいつは男だだが、俺には最高の女だ