ゲイ体験談

演歌の枕営業

作詞 : 阿久 悠 ◆ 作曲 : 都倉俊一 ◆ 編曲 : 穂口雄右
作詞 : 松本 隆 ◆ 作曲 : 筒美京平 ◆ 編曲 : 船山基紀
70年代や80年代に栄盛を極めた、曲作りの組み合わせの一例である。
作詞を誰に、作曲を誰に、編曲を誰に依頼するかで、 おおよそ、どのような曲が仕上がって来るか?が、
ほぼ予想できる。
そして、それぞれの事務所は、金づるとして動かすアイドルに、 どの路線やキャラクターやイメージで売り出すかに知恵を絞り、
3者の組み合わせを、何パターンか選択して、最終パターンを依頼する。
今では、AKB48のような、企画型アイドル以外は、
80年代頃まで全盛だった、職業作詞家や職業作曲家が作った歌を歌う。
というのが、ほとんどなくなってしまっている。
ちょっとしたアイドルでも、自分で作詞・作曲してというのが多く、 同時に、シンガーソングライターという呼称も、
ほぼ聞かれなくなった。
自分が歌う歌は、作曲までとはいかなくとも、作詞は自分で。
というのが多い。
また作曲と編曲も、パソコンのソフトによる打ち込みや、
専属のバンド等で賄っている。
しかし、演歌の世界では、現在でも、昔ながらの、
職業作詞家、職業作曲家、職業編曲家の3者から、
ひとつの曲が形成されており、
それぞれを誰に依頼するかは、
これもまた昔ながらの、事務所の力、そして「本人の献身」次第である。
和也は、26歳でデビューして、今年でもう14年。
そして、演歌歌手としては、男盛りのちょうど40歳である。
しかし、これまで際立ったヒット曲がなく、
「この曲は和也だ」という、いわゆる代表曲もなければ、
中堅的な位置付けのヒット曲が、
無理に挙げれば、1~2曲という程度である。
和也は、見た目的な部分は、整った眉毛と目力、筋の通った鼻、薄目でシャープな唇と、
非の打ちどころがない顔立ち、身長も182cmと、
良い方なので、ひとつ曲に恵まれれば、 その1曲を土台に、その余波で、中堅ヒットが2~3曲生まれ、 演歌歌手として、Aクラス入りできる可能性がないわけではない。
実際、デビュー時には、演歌アイドルとして、売り出しを賭けたが、 当時の時代背景は、
エイベックスが躍動期の、ダンサブルなJ-POPが主体で、 その中に、
演歌のアイドルという毛色を混ぜ込ませてみても、
土台無理だった。
また所属したレコード会社が、演歌を得意としない、
ソニーだったのも、 和也にとっては不運だった。
(一般的には、何故ソニーで?と思うだろうが)
演歌で行くなら、ソニーではなく、演歌を得意とする、キング、クラウン、 コロムビア、テイチク、徳間ジャパン、などに所属するべきだったのである。
実際、デビューが3年後発で、コロムビアからデビューした、きよしに先を越され、
後に、和也もキングに移籍したものの、Bクラスの域から、飛び出せない状態が続いていた。
和也にとって、生涯男として、
最も脂の乗った時期で、
かつ、男の色気が、最大に開花する、30歳代という10年間が、 芽のない状態で終わってしまったのは、
何よりも、和也自身が一番悔しかった。
ある夜、風呂上がりのままで、鏡の前に立ち、
自分の姿を見つめて、 こう呟いた
「俺はまだ色褪せてはいない。
あの先生なら、俺を・・・のはずだ」
そこで和也は、楽曲提供の依頼を、自ら出向いて行う。
という、手法に打って出たのである・・・・・・
翌日、和也は、渋谷から神奈川県の県央部へ向かう私鉄路線の、 電鉄が宅地開発して整備した、
閑静な住宅街の、ある1軒家に向かった。
演歌の世界では、数多くのヒットを手掛けて来た、
竜之介に会うためにである。
しかし、和也と竜之介が、これまで一度も接点がなかったわけではない。
これまで和也は、竜之介から、何曲かの提供を受けている。
ただ、事務所を通じて、紙片に曲の提供をされただけであり、 和也と竜之介が、
実際に会い、顔を合わせた事は、一度もなかった。
何もこれは、不自然な事ではなく、
事務所から曲の依頼を受けた時に、
作家は「どんな感じの子が歌うのか?」
写真などの添付を要求する場合もあれば、
曲作りの邪心になるからと、敢えて、
歌い手の姿を要求しない場合もある。
昭和の巨匠、作詞家の阿久 悠が、後者のタイプだった。
竜之介もこのタイプで、和也と面識がなかったのは、
この理由からだった。
渋谷から約40分。
沿線のイメージどおり、卓越した街並みは、
何気なく歩く人の姿さえも違う。
その空気感は、庶民が容易く訪れる街ではない。
という威圧感さえ漂っていた。
そんな高級住宅街の一角に、竜之介は居を構えており、
和也は、改めてネクタイの締めと、スーツの身なりを整えて、呼び鈴を押した。
「誰だね?」
「和也です」
「和也?」
「はい、先生に、いくつか曲を作っていただきました」
次の瞬間、セキュリティロックされた門扉が静かに開かれた。
そして、竜之介は、玄関の扉の前に立ち、
予期せぬ来訪者を見据えた。
「なかなかのイケメンじゃないか・・・・・・」
竜之介の第一印象だった。
「髭が濃くてガチムチで絶倫って感じ・・・」
和也の第一印象だった。
ここから、和也と竜之介は、親密に、そして特別な関係となるのであった。
応接間に通され、お手伝いさんが煎れてくれた紅茶を飲みながら、 和也は、竜之介に哀願した。
「先生、これまで僕は、先生に曲を作って戴きながら、
ヒットさせる事ができませんでした。
申し訳なく思っております」
「・・・・・・・・・・・・」
「先生、これは、僕自身の力不足の前に、歌詞というものを理解できていなく、
是非とも先生に、身を持って、ご教授して頂きたく、お訪ねしました」
竜之介は、一瞬戸惑ったが、そんな和也に愛しい感情を抱いた。
「わかった。和也が、わざわざこうして、俺を訪ねてくれたのは、 俺としても嬉しいし、
これからは、直に指導してみたい材にも思える。和也の次の曲は、是非とも俺に書かせて欲しい。
今から和也の事務所にもそう伝える。
曲が出来たら事務所に連絡するから、
そしたらレッスンに来るように」
「えっ!先生!本当ですか?、ありがとうございます!」
和也は、竜之介の前に、ひざまづいた。
数か月後、和也の事務所に、
竜之介から、新曲が出来たから、 個人レッスンに来るようにとの連絡が入り、和也は、早速向かった・・・・・・
防音室に置かれたピアノの前で、竜之介は、ピアノを奏でながら、 デモで歌い、それに続けて和也が歌い、
それが何度も何度も繰り返された。
「いいか和也、この歌はな、 ひと冬越えて、春が巡って来て、愛する人との別れの恋心を歌った歌なんだ。
ずっとずっと、好きな人への憧れと、その人がいなくなるという一途な想い。
実はな、直接的に歌詞にはしていないから、
一見、男の側からだと思うけど、 女の側から見た、男への失う恋の歌なんだ。
でも失恋ではない。
解るか? だからこれは、歌詞を見ただけでは、
感情を歌に表す事はできないんだよ。
だから和也、実際にその気持ちに、
身を持ってなってみるんだ・・・・・・」
「先生、僕も先生に戴いた曲を、精一杯心を込めて歌えるようになりたいです」
「和也、俺に抱かれて、俺の女になったつもりで、なりきってみろ!」
「はい、先生!」
「わかるか?和也、俺の胸の中で、身も心も女になりきるんだぞ。
そうでなけば、この曲を情感を込めて歌う事は無理なんだよ!」
「はい、先生!、先生に抱かれて、女性の気持ちを理解したいです!」
竜之介は、寝室に和也を招くなり、力ずくで抱き寄せて、
和也をベッドに押し倒して、1枚1枚・・・
服を脱がせていった・・・ 昼下がりの午後・・・ 
気だるい雰囲気が、その甘い空間を、 より増幅させて、
二人は、いつしか動物的に求め合う感情に苛まされていった。
「あぁ・・・、先生~・・・、先生~・・・、いいっ、いい~!」
和也は、竜之介の熟練した舌使いと指先の愛撫に、
雄から雌へと変貌し、 竜之介の背中に両腕を廻して、力強く抱き付き、胸の中で熱い吐息を漏らした。
「和也!いいぞ!可愛い!もっと咽び泣くんだ!」
竜之介は、その逞しい身体と、太く固い肉棒を、密着させながら、
やがて、和也の腹筋、そして内股へと、舌使いを移動させた。
「あぁ・・・、先生ぇ~っ~・・・、僕・・・もう・・・身体がとろけていきそう・・・」
和也は、竜之介の愛撫で、全身の力が抜けていく心地良い解放感と、
これまでにない、身体の火照りに、やるせない意識が芽生え始め、
「はぁ・・・、はぁ・・・、はぁ・・・」
「どうした?和也?」
「はぁ・・・、はぁ・・・、先生と一緒に舐め合いたい!一緒に!」
和也は、自分から上下逆になり、69の姿勢を取った。
「うぅ~!、うぐっ!」
和也は、竜之介の肉棒を両手で掴み、 口の中いっぱいに含み、恍惚の表情を浮かべた。
妙に熱くて、妙に固くて、生き物のように脈を打っている、
竜之介の肉棒・・・・・・
それを本能的に欲しがり、満たそうとする和也は、
もう既に女であった。
そして、カリの裏側、盛り上がった血管の筋、舌を這わせて味わう。
「もうすぐ先生のコレが、僕の中に入って、ひとつになるんだ・・・・・・」
和也は、そう思うとより一層と情熱が高まり、再び口の中いっぱいに含んだ。
和也の期待どおり、竜之介の舌使いは、
和也のペニスから移動して、アナルを舐め始めた。
「あぁ~~っ!ふ~っ!あぁ!」
アナルを刺激されて、咽び泣く和也。
「ほら、これから、俺が舐めてる和也のここ(ケツ)に、和也が舐めてる俺のモノが入るんだよ」
和也は、ごく自然に身体を前にずらして、四つん這いの姿勢になり、
竜之介は、起き上がって、和也に向けて肉棒を突き出す。
和也の菊の蕾に、竜之介の肉棒の先端が触れ、
いよいよ挿入される・・・・・・
「あっ!、あぁぁぁぁーーーっ」
「和也!うっうーっ!和也ぁーー!」
和也と竜之介が、
「ひとつになった瞬間」、
それは同時に、雄交尾の始まりでもあった。
竜之介は、より和也の中に深く入ろうと、騎乗位の格好を取り、腰を突いた。
「和也、俺の体温がわかるか?、和也の中にいるのがわかるか?」
「あぁっ!はまってるのが・・・、はぁはぁ、わ・か・りますぅーっ!」
竜之介は、挿入したまま、和也を180度寝返らせて、
今度は正常位の格好を取った。
和也に覆いかぶさる竜之介、和也は全身で竜之介を受け止め、そして抱き付いた。
竜之介は、額に脂汗を、背中には運動汗を滲み出しながら、激しく波を打つ。
その度に、ベッドのきしむ音が、昼下がりの午後の空気の中に卑猥に響き、 和也の屈曲した足元が、天井に向かって左右に小刻みに揺れた。
「和也!いいよ!スゴクいい!和也ぁーーー!」
「あぁっ!先生!先生とひとつになってるぅーーー、あぁ!先生ぇーーー!」
「和也!和也!和也!、あっ!、あぁぁぁぁーーーっ、・・・・・・・・・」
次の瞬間、竜之介は、口を半開きにしたまま、
力尽きたかのように、 和也の上半身全体に覆いかぶさり、
腑抜けの放心状態に陥った。
和也も、顔を紅潮させながら、そんな竜之介を受け止めた。
竜之介の剛毛な胸を通じて、
ドクッドクッと打つ、鼓動を感じながら・・・・・・
竜之介が身を持ってのレッスンの成果で、 和也は、その翌日のレコーディングで、
昨日の竜之介との情事を思い起しながら、
ひとつひとつの歌詞に、やるせない感情を込み上げながら歌い切り、
1回の吹込みでOKが出て、マネージャー、ディレクター、事務所の上層部を感心させた。
後はこの曲が、今まで以上にヒットして、和也の知名度が、 BクラスからAクラス入りして、演歌層だけではなく、一般層にも浸透させたい。
事務所とレコード会社は、一体となって、和也への宣伝活動費を増額した。
その甲斐あって、和也は、地方公演などは、単独でドサ廻りが出来るようになった。
今までは、同じ事務所の大御所の前座や、同行名義での公演だった事に比べると、
和也単独の名義で歩けるようになったのは、悲願でもあり、夢にまで見た事であった。
本人名義の代表曲と呼べるヒットが1曲、
中堅ヒットが2~3曲あれば、 あとは、演歌のスタンダードのカヴァーと、司会者を絡ませてのトークが出来れば、 演歌の世界では、これで10年はやって行け食って行ける。
逆に、芽が出て、そうなるまでの下積みが、演歌の世界では大変で厳しい。
和也にとって、初の地方公演ツアーが組まれ、事務所も運転手付きの専用車を用意した。
もちろん和也も、入魂の気合いで、長時間の稽古でも、積極的に消化して吸収した。
芸能界という特殊な世界で、日々繰り広げられる、師匠と弟子の暗黙の関係。
それは今日も、そして今夜も、変わる事なく、関係が維持されてゆく・・・・・・

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