7月22日。
緊張と期待でチンポは勃起したり萎えたりを繰り返しながら難波のエステサロンへ到着した。リニューアル前と同じマンションタイプのサロンだ。
難波と聞くとコテコテの大阪を想像する人が多いが、実際は落ち着いたお洒落なスポットが数多くあり、お洒落でセンスの良い人達が闊歩している。
安田は46歳の会社員、身長174cm、既婚、息子は2人、長男は19歳で次男は15歳だ。結婚して20年以上経つが所帯じみたところは少なく、ガッチリした体型、清潔にカットされたヘアスタイル、年相応の落ち着いたシンプルなファッション、女性にモテるタイプだ。
外見とは裏腹に変態願望が学生の頃から強く、ドSなご主人様や女王様に蔑まれることを妄想することが多かった。あくまでもオナネタのひとつなので、それを叶えようと思ったことはない。
ところが1カ月前にそれが実現した。一時の過ちとして過去にするつもりだったが、一度足を踏み入れた長年妄想し続けたこの世界を忘れることは出来なかった。
20分前か…
さすがに入店するのは早すぎるな…
玄関の前でチャイムを鳴らそうかどうか悩んだ末、近くのコンビニで時間を潰すことに決め、その場を離れようとしたとき、玄関のドアが開き、「こんにちは!ご無沙汰しております!」と深川が爽やかな笑顔を浮かべて言った。
「あ、ど、どうも、、、少し早すぎるかなと思って…」
「大丈夫ですよ!どうぞお入りください」
「し、失礼します」
安田の声が緊張でうわずる。
深川は穏やかな笑顔を崩さず「玄関の前に人影があったのでもしかしてと思いまして」と玄関ドアのサイドにある調光用の小さな窓を指しながら言った。
深川は上下黒の制服に身を包んでいる。服の上からでも分かる胸板の厚さ、肩幅の広さ、そしてピッタリとフィットしたパンツは股間のモッコリを異様に目立たせている。ヘアスタイルはお洒落なツーブロックで、25歳の若々しさを残しながらも落ち着いた雰囲気だ。
玄関はアロマの香りが漂い、壁には男性ヌードの抽象画が飾ってある。
「今日はよろしくお願い致します」
「こ、こちらこそ…」
「どうぞ、お部屋へご案内いたします」
カウンセリングルームに案内され、ハーブティーを飲みながら、光脱毛のメカニズム、注意事項、そして施術工程を、タブレットを見ながら説明を受けた。
安田は股間を強調するように足を大きく広げて見せつけるようにして座り、時折、さりげなく股間を揉んでアピールした。寡黙で真面目な安田にとっては最大限のアピール方法だ。しかし深川は説明に集中していて気づかない。
「全ての工程は新人スタッフが行いますが、私が都度フォローしますのでご安心ください」
「分かりました」
淡々と進める深川に失望を感じる安田。
「それでは準備してきますので、しばらくお待ちください」
深々とお辞儀して深川は退室した。
俺は何を期待していたんだ…
46歳にもなって俺は…
居心地悪そうに椅子に座りながら、机上に置かれている光脱毛のビフォーアフターのアルバムをペラペラとめくる。ズル剥けのチンポに毛が一本も生えていないもの、四つん這いで肛門を晒すマッチョ、女のオマンコ、全てモザイク処理無しの写真だ。