ウリセンボーイと3P 6
「よし。じゃあ今度はシュンがアツヤに入れてみろ」
俺が掘られる番か。ノンケに掘られるのかと思うとドキっとする。富澤さんの横に寝そべり、待機する。しかしシュンくんは申し訳なさそうに言う。
「ちょっと……お酒飲んじゃったせいか勃たないみたいで……すみません」
何とも残念な話だが、確かにノンケなら勃たすのも難しいのかもしれない。ひょっとしたら、意外にもバックの方が楽なのかもしれない。
「そうか。じゃあアツヤのケツ舐めてやれ」
またケツかい! 俺は富澤さんの指示に心の中でツっこむ。
四つんばいになったほうが舐めやすいかと思い、体勢を変えると、すかさずシュンくんは俺のアナルを舐めてくる。
「あ…っ、んん…っ」
気持ちいい。思わず声が出てしまう。純粋な体の快楽と、ノンケに舐めさせちゃってるぜ、という嗜虐的な心の快楽が混ざり合う。
セックスに関する快楽の頂点は「愛」だと思っていた。両想いの恋人同士でこそ、精神的にも肉体的にも最も満たされるのだと。しかし、こんな風にお金でなきゃ味わえない快楽というのも確実にあるのだ。人の、しかも客の金なのだけど。
シャッターチャンスといわんばかりに、再び富澤さんはデジカメを手にして写真を撮る。
「あぁ~っ、ケツ、ケツ気持ちいいよぉ……」
言葉にすればもっと気持ちよくなる気がして、俺は声を漏らす。ノンケなのにこんなことさせちゃってごめんね、と心の中で謝りつつも、ノンケだからこその快楽ということもわかっている。
富澤さんは撮った写真を早速モニタで確認しているが、その間にもシュンくんは律儀に舐め続けてくれる。
「よし。じゃあイかせてくれ。アツヤ、しごいて」
だいぶ興奮してきたのか、富澤さんはベッドに寝そべる。俺は手コキ担当で、シュンくんは富澤さんの体を愛撫する。
「あー、イくぞっ、イくっ!」
ようやく、長い夜が終わろうとしていた。
朝になって、テレビを見ながら身支度をする。もちろんというべきか、パンツは富澤さんの手に渡り、昨日コンビニで買ったパンツを穿く。
「じゃあふたりとも先に帰っていいよ。お疲れ様」
俺とシュンくんは、ふたりで部屋を出る。
何となく話しづらくて、一緒に帰らないほうがいいかな、という気になる。
「俺、店に電話しなくちゃいけないんで。ここら辺で」
ロビーまで来て立ち止まり、俺はシュンくんに言った。
「あ、はい。じゃあお先に。お疲れー」
シュンくんが去っていく。この時点でもう、他人だ。
どうせ電話してもいまの時間じゃ店長寝てるだろうな。後でメールするか。
わかっていながらも、一応決まりなので俺は電話を掛けた。