ウリセンボーイと3P 1
店から届いた指名のメールで
「ロングコース 富澤様」
という一文を見たとき、来たな、と口元が緩んだ。
福岡に住んでいる大学教授の富澤さん(25参照)。真面目そうだけど実は変態、というギャップが忘れられなかっただけに、再び指名が入って嬉しい。
(またパンツを欲しがるかもしれないし、あげてもいいやつを穿いていこう)
場所は前回と同じ新宿のホテルで、今回はそのまま部屋まで出向く。部屋の前でノックをすると、富澤さんが出てくる。
「久しぶりだね。入って」
部屋に入ると、そこには富澤さんだけでなく、ふたりの男の子がいた。
ひとりは色黒でガッチリとした体の体育会系。目が細く、その男くささがノンケっぽい。
もうひとりは色白細身で俺と似たタイプ。顔はかわいい系で人懐っこそうだ。
「今日はそれぞれ別の店から呼んだんだ。よろしくな」
(……ってことは、4人? スッゲー! 面白そうな夜になりそうだ……!)
俺はウリセンの子にほとんど会ったことがないだけに興味深かった。自分の店ですら、事務所に寄ったとき偶然ボーイがいればあいさつを交わす程度だ。
色黒の子はリョウタくん。色白の子はシュンくん。名前と店を紹介してもらう。
「じゃあ早速だけど、3人で仲良くヤってなさい。俺は風呂入ってくるから」
富澤さんはそう言って、服を脱ぐ。早速すぎんだろ……と焦っていたら、シュンくんが「それじゃあ一緒に入りましょうよ~! 僕もまだなので」と自分のバッグを持ちながら富澤さんとシャワールームへ入っていく。何ともあざやかな対応だ。見習いたい。
残された俺と色黒のリョウタくんは、何もしないわけにもいかず、とりあえず指示通りにプレイをすることにした。
「よろしく」
リョウタくんは、たった一言つぶやく。何とも愛想がない。しかしそのぶっきらぼうな感じがノンケの魅力だ。こういう路線もあるのだなあ、と勉強になる。
抱き合ってキスをして、服を脱ぐ。ノンケとキスするなんて不思議だ。悪い気がしない……というより、むしろ嬉しい。
ふたりともパンツ一枚になって、ベッドの上でいちゃいちゃする。
(このシチュエーションはおいしいんだけど……富澤さんの見てないところでどこまでヤればいいのやら。早く戻ってこないかなあ)
どこまでヤっていいかわからないし、リョウタくんも別に俺とヤりたいわけではないだろう。何となく手持ちぶさたなふたりは、とりあえずパンツのままで触りあって時間を過ごしていた。