ウリセンボーイと3P 4
着替えが終わるとリョウタくんはさっさと帰っていき、3人になる。次はシュンくんとだろうか? と考えていたら、
「ちょっとメシでも食いにいこうか」
と富澤さんが言い出し、俺たちは食事に行くこととなった。
着替えていると、富澤さんが携帯を見ながら言った。
「悪い、仕事の電話しなくちゃいけないから、先に出てロビーで待ってて」
俺とシュンくんはふたりで部屋を出てロビーに向かい、ソファに座り込む。
とりあえず同業者ということで、ウリセンのことについて話しかけてみる。
シュンくんは最近まで他の店にいたのだが、厳しいのが嫌で店を変えて、富澤さんは初対面ということを話してくれた。
「いやー、しかし凄いね。まさか3人でヤるとは思わなかったよ」
富澤さんがいたら言えないようなことを、俺はショウくんに言ってみる。
「んー、そっかなー。この前のお客さんにフィストやったばかりだから、そこまでは」
「え? フィストって……フィストファック?」
かわいい顔して当たり前のように言うから、一瞬で理解することができない。そ、そんなお客様もいるのか……俺だったら仕事といえども絶対できない。シュンくんも頑張っているんだなあ。
しばらく話していると、
「ていうか、実は俺ノンケなんだよね」
という、さらに衝撃の発言を投下する。失礼かもしれないが、かわいいし物腰おだやかだし、ノンケの男らしさをほとんど感じない。にしても、シュンくんがノンケだとしたら、俺はノンケふたりと3Pしてたってことか!? 嬉しい半面、信じられない。
「ケツが平気だからウリセンに向いてるみたいなんだよね。あ、でもノンケだと売れない気がするから、ゲイで売ってるんだ。言っちゃダメだよ?」
そういうものなのか。俺はゲイだからウリセンにまったく抵抗がないと思っていたが、ノンケでも仕事だと思えば平気なのか。
「でもさ、ゲイはノンケ好きだからノンケで売ったほうがいいんじゃない? ノンケのほうが価値あるよ」
俺がそう言ってもシュンくんはピンと来ないようだ。ノンケからしたら、この世の男のほとんどがノンケなのだから、わかりにくいのかもしれない。
そこまで話していると、ようやく富澤さんがやってきて、俺たちはホテルを後にした。