初めて男の経験をした頃
私は現在30代後半の中肉中背の者です。いまから10数年ほど前。
あるきっかけで、初めて男同士の経験をいたしました。初めて男同士の世界を手ほど
きしてくださった
男性の方との出会いを通じて、私は男でありながら、男性に女のような気持ちを抱い
て、視姦され触られる
Mとしての歓びを目覚めさせられてしまったのです。そのお話。
その頃、つきあっていた女性との失恋からなかなか立ち直れずにいました。心と体
の寂しさをまぎらわすため風俗通い。ソープ、ホテトル、ヘルス、ストリップ、覗き
部屋、性感。愛はもういらない、そう思って、体の快楽を求めていました。いつも満
たされない気持ちを感じていたのです。ある日、風俗からの帰りでした、駅の公衆便
所の個室に入りました。気がつくと、隅にカバーで表紙の見えない本が1冊置いてあ
るんです。何かなと思って、用便の間に手にとってみたんです。それは、「さぶ」と
いう男性誌でした。それまでの自分だったら気色悪く感じて即座に捨ててしまってい
たと思います。ところが、その日、私は家でその本を読んでみようと思ったんです。
手ぶらで行った風俗の帰りですから、カバーで表紙を隠してあるとはいっても、男性
誌を手に満員電車に乗ることはドキドキすることでした。もし周囲の乗客に気づかれ
たら、どうしよう・・・手放さないように必死でしたね。
アパートに帰って見てみると、薄い布地の六尺褌を締めた男の裸体が生々しく、思
わずゴクリと唾を
飲み込みました。ヘソの周囲から褌の中まで続いている陰毛。白い布地は水で濡れ
て、中の黒々とした
陰毛が透けています。絞り込まれて隆々と硬く盛り上がった股間。大きくしなった陰
茎。深く食い込んだ尻。
クラクラするような想いでした。雑誌の後の方には交際希望欄、派遣、性感、サウ
ナ、ランジェリー・グッズ、SMなどお店の広告が続いていて、はじめて覗く世界に
その夜は寝ることができませんでした。1週間後、安全も気になってしかたなかった
私は、まず何軒かマッサージのお店に電話をかけてみました。最初に電話をかけた相
手の方は、元気のいい声で、私が自分がまったく経験ないこと、病気など衛生面が不
安なことをお尋ねすると、一つ一つ心配ないことを説明してくださいました。何軒か
話してみて、初めにお話ししたこの方が、しっかりしてるという印象を受けたのです
が、結局この方が、私にとって初めての男性となる人だったのです。それから、さら
に1週間、迷いに迷って、ある週末のこと、ついに試しに、こういう世界を覗いてみ
るのも、社会勉強、そんな言い訳で自分を奮い立たせて、とうとう2時間後に予約を
入れてしまいました。
都心郊外のその店は、いままで降りたことのない駅から歩いていくマンションの1
室でした。雨の降る寂しい夜のことで、駅前の電話で教えられた道はひどく心細かっ
たものです。教えられた部屋に着きました。ドアを開けてくれたのは色の浅黒い、
ちょっとだけ太目の中背の男性でした。マッサージ台の置かれた専用の部屋に通さ
れ、まず問診表のようなものを書いた後、シャワーを浴びました。診療台にうつぶせ
になると、マッサージの始まりです。冷たいオイルの感触が背中、腕、脚、尻と広
がっていきます。尻の肉を左右に開かれ、感じ易い穴の襞の周りをオイルを塗りこむ
ように指が回転してきます。すると、次の瞬間、指が深々と穴の奥の方まで挿入さ
れ、男ながら指で犯されるような感触に「うっ」と声が洩れてしまいました。しばら
くすると、仰向けになるように言われました。隠すものなく、無防備なまま、勃起し
た裸体を初めて同性の方の目に晒したこの瞬間のことを今でも思い出すんです。男性
は、勃起してゆらゆら脈打っている私のおちんちんに指で触れ、皮を剥きおろして亀
頭を露出させました。丹念に丹念に無言で愛撫を繰り返していきます。男性の方と私
は無言のまま、暗い電灯の下で二人だけの時間が流れていきます。この瞬間が永遠に
続いて欲しい、そんな想いでいっぱいでした。上下に繰り返される彼の指先の動きと
自分のおちんちんの奥から絶え間なく溢れてくる快感、これだけが二人をむすびつけ
ているもので、それだけで感動してしまったんです。それまでの風俗通いで、いつも
感じていたむなしい想いは、男性の丹念な指遣いと無言のまま見守ってくれている視
線のおかげで、癒されるような感じがしました。全てを見せているという恥ずかし
さ、この方に全てを見せているんだという感覚、この時に感じた感覚が、いま思い出
しても、私の男性体験の原点で、Mとしての歓びを目覚めさせられた瞬間でしたね。
途中、仰向けのまま、開脚させられて丸出しの睾丸や会陰部への愛撫を受けました。
最後に、彼の指で射精させられました。二度、三度と間歇的に精液がほとばしりまし
た。そんな私を見て、彼は優しく微笑んで「いっぱい出たね」と声をかけてくれたの
でした。
その後、私は10ヶ所ほどのお店で男性の方の性感を経験しましたが、初体験の
時、この方に出会わなければ、きっと、その後、私は男同士の世界に深入りしなかっ
たと思うんです。性感を経験されたことのある人は知ってると思うのですけれど、
マッサージ師の方によって、指の動きやお人柄などお互いの相性があるのです。
長かった1ヶ月の後、また、あの指、あの目に自分をゆだねてもてあそばれたい、
往く瞬間を見守ってほしい、そんな淫らな想いに抗しきれず、自虐的な気持ちで、ま
た予約を入れてしまったんです。電話の声は「○○さん、ですね。前にいらしたこと
ありますか」と事務的な応対。せっかくの自分の想いと落差があって、冷たくふられ
たような気持ちで、かえって、欲望に火をつけられてしまったんです。こうして思い
出して書くと、はじめての時から、男としての欲望を味わいつくしてるような感じか
もしれませんが、実際は違うんです。はじめての時は、ひたすら緊張してて、体を硬
くしていました。自分のことを覚えてほしい、そんな気持ちから、2度目のときに
は、施術中、お話しようと思いました。どんな人が来るんですか?とか、もう長く
やっておられるんですか?とか。そんな、あたりさわりのない会話を続けながら、指
の動きにうっとりです。「仰向けです」と言われ、たまらない気持ちになってしまい
ました。そこで、「実は、ここに来るまで、1ヶ月、すごく悩んだんです。自分は女
性と別れて、それで、寂しくて、体だけの快感で失恋を忘れたいって思ってました。
それで、偶然こういうとこがあるって、知って、来たんですが、なんだか抜けられそ
うになくなるんじゃないかって、不安なんです」と言いました。すると、「ふつうの
方もおいでになられますよ。男のことは男がよくわかるかもしれないってね。それ
で、ぬけられなくなるとか、そういうことじゃなくて、来たくなったら来ればいい
し、そうでなければ来なければいいんですよ。もっと力を抜いてもいいと思います
よ」と優しく言われました。そして、この方なら自分の想いを否定しないで、受けと
めてくれそうな気がしました。「自分がふだん、自分を慰めるときに想像したりする
ことを聞いていただけますか?」「いいですよ」と微笑んでくれます。その時は、仰
向け状態ですから、おちんちんは勃起したまま、汁が溢れて、すでに腹をべったりと
濡らしています。彼の指先が乳首を揉み解していきます。
「自分はよく風俗行くんですが、実は、ストリップとか覗き部屋で、多数の男性の目
にさらされて、オナニーしてる姿に感じるんですよ。それで、実は自分もほんとは男
性の方に自分のいちばん恥ずかしくてスケベな姿を見て欲しい、そして見てもらった
感謝の気持ちでおしゃぶりで御奉仕したいと思うんです」「ふーん、いまだって同じ
みたいなものだね」「はい、だから、このあいだ、ここに来て、すごくよかったで
す」「ふだん、そうやって自分でしてんだ?」「はい」「じゃあ、見ててあげるか
ら、オナってごらん」「えっ、いまここで、ですか?」「そうだよ、したかったんだ
ろ」「えー、恥ずかしいです」「恥ずかしい自分を見て欲しいんだろ」「はい、
じゃ、ぼくのオナニー見て下さい」
そうして、はじめて、しかも男性の目の前で、私はオナニーをしてしまったので
す。男性の方は微笑んでいました。「もっと、脚を開いて、膝を胸につけてごらん」
「はい」私は婦人科の診療台に乗る女性のように開脚して、脚をあげて、下半身を丸
出しに突き出して、右手でおちんちんを、左手で乳首をさわって、ビデオやストリッ
プでアダルト女優がするように一人のオナニー・ショーで登りつめていきます。
「往っても、よろしいでしょうか?」「いいよ、思いっきり往ってごらん」こうし
て、私は、はじめて男同士の世界を手ほどきしてくださったこの方の巧みな誘導に
従って、男として被虐的に自分の痴態をさらす歓びに目覚めさせられてしまったので
した。この体験は私のMとしての初体験でもありました。こうして、いま思い出して
いるだけでも、汁でイスを汚してしまいました。