パラダイス(特別編)
男子寮での1年間は、大浴場で毎日、同年代の男の全裸を拝める、今となってはパラダイスであった。
裸に関しては、風呂場以外でも、男子寮ということで、裸で歩き回る者が多かった。
個室と風呂の移動は、ほとんどの寮生が上は裸でトランクス1枚。中には、全裸にタオルを腰に巻いただけ。
特に夏は、食堂に行くのも同じ格好だったが、さすがに寮長から『紳士たれ!』と上は着るように注意された。
個室のある3階にあるトイレから、小便をしながら何気に目の前の窓から下を覗くと、寮の大浴場の脱衣場が少し見えた。
普通の男なら、男の脱衣所なんて・・・、なんだろうが、俺は、一瞬『裸が見えるかも!』と思ってしまった。
小便が出終わっても、そのまま、覗いていると、脱衣場の窓際に誰かが来て、服を脱ぐのがギリギリ見えた。
その男は、まさか上から俺が覗いてるなんて思いもしないので、無防備に全部脱いで、奥に消えていった。
それから、風呂の時間には、小便をしたくなくても、トイレに行って必ず、窓から覗くのが日課になった。
そして、男子寮での就寝時間。
ベッドで横になっていると、隣の部屋から、リズミカルに、ガタガタガタとかギーギーギー、と聞こえるベッドや椅子の軋む音。
時々、自分とシンクロしてしまって、思わず手が止まる時もあった。(笑)
そのまま続けて、アイツが先にイッたとか、俺が先にイッたとか・・・。
そして、他人の部屋の前を通る時に、ほのかに臭う、男にはピンとくる精子臭・・・。
皆、個室の外では、澄ました顔しているけど、個室の中では・・・。
色んな意味で男に興味を持たせてくれた男子寮。やはりパラダイスだったなあ・・・。